ご注意ください!太陽光発電施工のトラブル

今年に入り燃料価格の高騰、円安により電気料金の値上りが続いています。
家計への影響も大きくなってきました。そのため、太陽光発電を取り付けることで、少しでも家計への負担を軽くしよう、とお考えになる方も多いのではないでしょうか。

そして、みなさんのそのような思いに呼応するかのように、太陽光発電の業者さんの活動も活発になってきます。
しかし、太陽光発電は屋根に取り付けるので、適切な施工を行わないと施工後に雨漏りなどのトラブルが発生するケースが少なくありません。

古い記事ではありますが、太陽光発電が増え始めた2010年頃に頻発したトラブルを掲載した記事です。
『太陽光発電、雨漏り注意 「設置工事で穴」苦情相次ぐ 2010年1月6日 朝日新聞』

屋根下地となる『野地板』の種類

1.構造用合板

現在、一般に広く普及している野地板。
1枚あたりのサイズが大きくとれるので継ぎ目が少なく、雨漏りの心配が少ないので、一般住宅によく使われています。

2.バラ板

杉やヒノキなどで、幅が100~120mm程度の板材。
比較的昔によく使われた野地板で、和風の住宅にはよく使われていました。強度としては、構造用合板に劣ります。

3.耐火野地合板

合板の中でも耐火性に特化してつくられた、木材でありながら火に強い合板。
2つの種類があり、木毛とセメントでできている「木毛セメント板」と木片とセメントを練り合わせてつくる「木片セメント板」があります。耐火性は強いですが、コストは高くなります。

太陽光パネルの設置方法

太陽光パネルは、一般的には架台と呼ばれる太陽光モジュールをのせる台や枠材を取り付けるための支持金具を、垂木か野地板にビス止めし、その上に太陽光パネルを設置します。

1.垂木固定施工

屋根の野地板を施工するために屋根に施工されるのが垂木です。
支持金具を施工するためにビスを打つ場所は、強度的にも垂木が望ましく、雨漏りもしにくいとされています。

2.野地板固定施工

太陽光のパネルサイズや架台によっては、屋根の垂木とピッチが合わないことも多くあります。
その場合には、野地板に支持金物を固定します。
太陽光パネルの耐風圧は、JIS規格にて耐風圧荷重が2,400㎩と定められています。風速ですと毎秒62メートルとなります。その力を受けるために、野地板は構造用合板であれば厚さが12mm以上を推奨されています。

また、バラ板の場合には強度が不足しますし、すき間があるため支持金物のビスがすき間に入ってしまう場合も
そのため、合板などの裏打ち材にて補強してから施工します。

トラブルに合わないために

ここまで、前提となる話が長くなってしまいました。
今、住んでいるお家に太陽光発電を載せる場合には、屋根の野地板は何か?施工はどのように行うのか?を確認した上で施工しないと後で、強度不足や雨漏りなどのトラブルに合ってしまいます。雨漏りの場合には、パネル設置から2,3年経ってから発生する、ということもあります。

太陽光発電そのものは、家計も地球環境にも役に立つものです。
あとは、設置の時に施工業者さんに安全性、屋根の状況、施工方法を確認して、また場合によっては聞きにくいかもしれませんが家を建ててくれた住宅会社さん、工務店さんにも確認して、あとでトラブル、後悔することのないようにしましょう。

また、せっかくの機会ですので、屋根の劣化状況などもぜひチェックして、長く安心して住めるためにメンテナンスも検討してください。

この記事を書いた人

鈴木工務店鈴木太