9月になり、台風シーズンとなりました。
先週から沖縄地方を迷走していた台風11号。本州に上陸する前に温帯低気圧に変わりました。
9月には、「猛烈な」「強い」「大型」と形容される台風が、よく襲来します。台風の直接的な被害に合わないことを祈りますが、台風が過ぎた後にこの台風を利用する悪徳業者が現れることがあります。
必要のない工事を提案
実際に台風による被害で多いのは、屋根や雨どいの破損です。
「屋根瓦が飛んでしまった」、「雨どいが落ちてしまった」などの場合には、お客様ご自身で見てすぐに分かります。悪徳業者は、それ以外の「分かりにくい工事」を提案してきます。
「瓦がちょっとズレてますよ。このまま放っておくと雨漏りして大変ですよ。」
という具合にお客様の不安を煽ってきます。
屋根ですと、危ないのでご自分で登って見るわけにはいきません。
また、外に出ても下からでは見にくくて、実際がどうなのかが判断できません。そこで、そのまま相手の言うことを信用して依頼してしまうと、多額の費用を請求されたり、ずさんな工事をされたりしてしまいます。
保険を使えば無料で工事できます
そして、この手の業者がよく言うのが、
「保険を使うので、無料で修理ができますよ。」
という言葉。
本当に保険金が下りるのか、下りても希望通りの金額なのか、それは保険会社さんが判断すること。建築業者が決めることではありません。
この言葉を信用してそのまま工事を依頼してしまうと、保険金が下りなかったり、請求額より少なくなってしまったり、なんてこともあります。
本当に台風による被害があり、保険金による修理を行う場合にも必ず保険会社さんに確認します。
そして、工事前に写真を撮るなど、必要な手続きもあります。
保険は、お客様ご自身がお家にかけているものです。建築業者が保険を使います、と言ってきた時には、必ずご自身で保険会社に連絡して、保険金が出るかどうかの確認をしましょう。
もし、契約をしてしまったら・・・
契約をしてしまっても、クーリングオフの制度があります。
クーリングオフをするためには、決まった方法があります。
また、ここにも書かれていますが、8日間を過ぎていても、契約書に「クーリングオフできない」と書かれていても契約を解除できる場合があります。
諦めてしまわずに、消費生活センターなどの専門機関に相談しましょう。
便乗商法の被害に合わないために
では、便乗商法に引っ掛からないためにどうするか。
とにかく、1人で決めてしまわないこと。訪問してきた1業者の判断を信じないこと。
不安な時には、ご家族や友人、知人に相談してください。
相談して、冷静になってから、考えるようにしましょう。
また、他の建築業者に見てもらうことも大事です。急に訪問してきた1業者の言うことを鵜呑みにしない。
病院で「セカンドオピニオン」を求めることがありますよね。同じようにお家のことも「セカンドオピニオン」として、建ててくれた住宅会社さん、工務店さんなど他の建築業者さんに見てもらいましょう。
そして、できればいつも相談、お願いする工務店さんをつくってください。
建ててくれた住宅会社さん、工務店さんがいなかったり、頼れなかったりする場合には、他の工務店さんを見つけておきましょう。
ご家族には「かかりつけのお医者さん」、お家には「かかりつけの工務店さん」。
いざという時に、頼れる存在がいると安心ですよね。