リフォームが新築住宅より難しい3つの理由
「水廻り設備が古くなってきたから」「子どもが独立して家族スタイルが変わったから」
様々な理由でお家をリフォームする方がいらっしゃいます。
また、中古住宅を購入してリフォームをする人も増えています。
ですが、リフォームをする時には知っていてもらいたい大事なことがあります。それが、
リフォーム工事の方が新築工事より難しい
ということです。
それは、なぜか。このトピックスでは、次の3つの理由についてご紹介していきます。
1.既存のお家をベースにしてすべて進められていく
2.解体するまで分からないことが多い
3.リフォーム工事の方が業者選びを慎重にしなければならない
1.既存のお家をベースにしてすべて進められていく
これまでは、リフォーム工事と言えば、地元の工務店さん、大工さんの仕事でした。ですが、最近は、大手のハウスメーカーさんでもリフォーム工事に対応しています。
ですが、元のお家を活かすリフォーム工事には新築工事よりも高い現場技術が求められます。
詳細な設計図がなく、既存のお家からプラン・構造を判断しなければならない
新築工事には、必ずしっかりとした設計図が存在します。基本的には、その図面通りに施工していけば工事は完成します。
ですが、リフォーム工事にはその設計図がありません。
新築した当時の図面を見せていただける時もありますが、それも平面図、立面図までがほとんどで、詳細図や構造図といった施工に関する図面はなかなかありません。床や壁紙といった内装材の張り替えや外壁を塗装する、といった表面仕上げのリフォームは、それでも進めやすいです。
ですが、壁を移動する、間取りを変更する、といったリフォームの場合はプランと建物の構造の状態をきちんと把握する必要があります。
培った経験と勘で建物の中を見通す
リフォーム工事の打合せや、見積もりのご提案をするためには、お家の詳細を把握しないとできません。とは言っても、その段階でお家の壁や屋根を剥がすこともできません。
そこで力を発揮するのが、木造住宅の家づくりを行ってきた長年の経験と勘です。
鈴木工務店では、リフォームのご相談・お見積もりをする時に、必ず大工の棟梁が実際のお家を見させていただきます。
そこで、お家の中からも外からも見ることで、柱と梁がどのように組まれているか?どの柱が構造上大事で、どれは取っても良いか?を判断します。
何棟も新築工事を行い、長い時間と経験を積むことで、この現場を見る力、判断する力が身に付いています。そして、その判断を基に、工事内容についてご提案やご相談をさせていただきます。
現場施工でも高い技術が要求される
新築工事では、設計図を基に柱や土台を組んでいくことでお家が建ちます。特に、現在ではプレカットと呼ばれ工場で正確に切った木材を現場でつなぎ合わせることで施工ができます。現場で材料を刻むことがほとんどないので、大工さんに柱や梁をつなぎ合わせるための技術は昔ほど必要がありません。
リフォームでは、古い柱と新しい柱を耐震性を考慮しながら繋ぎ合わせるなど、現在の新築にはない技術が要求されます。特に、「継手」「仕口」と言われる木組みの技術を用いて、柱に細かな加工を加えガッチリと柱同士をつなぐ施工は、手作業の技術と経験がなければ行えない職人技です。
リフォームには設計図に頼らない現場での臨機応変な対応が必要であり、それが新築よりも難易度が高いと言われる理由です。
2.解体するまで分からないことが多い
培った経験で、元のお家の状態を把握するといっても限界があります。本当に全てが分かるのは、解体して壁や屋根を撤去した後になってしまいます。
そして、解体して新たなことが発見された時にどう対処するか。そこに、施工業者の姿勢が表れてきます。
解体して初めて分かることがある
事前に見えない部分は、経験則で予想しながら工事内容を検討します。
それでも、実際に解体して壁や屋根を解体してみて「構造上大事な柱が隠れていた」「新築した時の工務店さんが独特な組み方をしていた」ということが起こるのもリフォーム工事です。
また、解体してみてそれまで見えなかった部分で柱等の構造材が腐食していたという事例もあります。壁内に雨水や湿気が浸透していて柱や土台が腐食していたというようなケースです。
解体後にリフォームプランの見直しが必要になることもある
お家の耐震性や耐久性を考えた時、解体して想定外のことが発見されたら、補修や補強を検討することになります。
鈴木工務店のリフォーム工事でも、そのような場合にはお客様に現状を確認していただき、そのご説明と対処法をご提案しています。その対処にあたり、追加で予算がかかる場合には、その費用についてもご相談いたします。
リフォームでトラブルが発生しやすいのは、残念ながらこの相談をせずに工事を進めてしまう業者さんがいるからです。
施工する会社としては、悪い部分は直す必要があるので、当初予定にはない箇所の施工を行うのですが、お客様に確認してもらわずに進めてしまうので、工事完成後にたくさんの追加工事の請求が出てしまい、トラブルになってしまいます。
「解体してみないと分からないからしょうがない」「必要な工事だったから払ってください」ではなく、お客様に事前にきちんと説明して納得してもらってから工事を進める、施工会社の姿勢が求められます。
3.リフォーム工事の方が業者選びを慎重にしなければならない
リフォームは、資格がなくても業者になれる
建設工事を行う業者には、建設業の許可というものがあります。
鈴木工務店では、「愛知県知事(特-28)第4385号」という建設業許可を保有しています。
ですが、一定の条件以内では、この建設業許可を持っていなくても建設業を行うことができます。その一定の条件とは、
1.リフォーム工事においては、受注金額500万円未満
2.新築工事、増築工事のような建築一式の工事は、受注金額1,500万円未満
3.延床面積150㎡未満の木造住宅工事
(ただし、リフォーム工事でも建築一式工事と同等とみなされれば受注金額1,500万円未満と解釈されます)
このため、安易なリフォーム業参入が可能であり、工事レベルの悪い、雑なリフォーム工事店や悪質リフォーム業者が後を絶たない状況となっています。悪質な場合には、雑な工事をして工事代金を支払ってもらったら連絡が取れなくなる、などということもあるので、業者選びは慎重に行わなければいけません。
ですから、リフォームを依頼する業者を選ぶ時には、
・建設業の許可を持っている会社
・500万円以上のリフォーム工事の実績のある会社
に相談することをおススメします。