木育活動・木のジャングルジム『くむんだー』

「くむんだー」について

「くむんだー」は木製のジャングルジムです。

材料は杉の木を使用し、柱・貫(ヌキ)・楔(クサビ)の3種類の部材で構成されています。
京都にある清水寺の舞台など、古くからある寺社建築などは、この3種類の部材で構造が組まれています。「くむんだー」は、日本に伝わる伝統的建築工法を体感してもらえるツールでもあります。

使用するのは木材のみですが、トンカチでトントンカンカンとクサビを打ち込んでいただくと、柱や貫がしっかりとした構造体になっていきます。それと同時に、木が持っている手触り・色・香り・音など木の魅力を体感することができます。
※鈴木工務店は、『全国「くむんだー」木のジャングルジム協会』に所属しています。

くむんだーを一緒に組み立てよう!

組み立て方は、とても簡単。
柱を建て、柱に開けられた穴に貫を通し、柱と貫の間にクサビを木のトンカチで打ち込みます。

クサビを打ち込むことで、グラグラだった柱と貫が固定されてしっかりとした構造になります。できあがった、ジャングルジムは子どもだけでなく、大人が乗っても大丈夫!
釘や金物を使わず、「木」だけでしっかりとしたジャングルジムを作ることができる「くむんだー」をぜひ体験してください。

そして、「くむんだー」の体験を通して、木の良さ、木の特性を感じることができます。
手触りを通じて、木のやわらかさ、あたたかさ、
目で見て、木の色つや、1本1本違う木目やその色合い
においで感じる、木の香りやそこから得られるリラックス効果
最後に、耳で感じる、トンカチでたたく時のトントン、カンカンという心地よいその音

この体験は、こどもたちにとっては普段なかなか得られない心地良く、楽しい体験に、そして大人にとっては子どもの頃を思い出すどこか懐かしい体験になると思います。

くむんだーで伝えたいこと

「くむんだー」は、木育ツールです。
そもそも、木育とは「木や森、人との関わりを通じて豊かな心を育てる」ことを目的としています。
木製の製品に触れるだけでなく、木の命や森林環境に目を向け「木と人とのつながり」を意識することが大事だとされています。その木育が子どもたちに与える主な効果は次の3つです。
1.五感を刺激し感性が育つ
2.人との関わりで社会性が身に付く
3.木や森林とのつながりで心が育つ


くむんだーは、先に触れたように木でジャングルジムをつくることで子どもたちの五感を刺激してくれます。
そして、みんなで協力してジャングルジムをつくり上げることで社会性を体感できます。
最後に、木の持つリラックス効果や五感を刺激することで子どもたちの心を育てる助けをしてくれます。

くむんだーを通じて、一人でも多くのお子さんや親御さんたちに、木の素晴らしさやその魅力、そしてものづくりの楽しさが伝わることを願って、活動を行っています。

くむんだー実施報告

○2024年1月16日 @新城市長篠こども園

記念すべき、くむんだーの初開催!
長篠こども園の年長組さんが参加してくれました。
年長組さんは、16人ですが、当日は欠席もあり12人での実施となりました。

くむんだーのサイズは、7×7×5段。
縦と横に柱が7本ずつ建ち、高さが3段階に計5段となるサイズです。

まずはじめに、組み立て方や注意事項についての説明を行いました。
その後、ヘルメットをかぶった12人のかわいい大工さんと当社の大工さんとで組み立てスタート。長い柱や貫を友だちと協力して運んでもらい、1本ずつ組んでいきます。ある程度組めてきたら、トンカチを持ってのクサビ打ち。
みんな楽しそうにトントンカンカン。先生たちからの「まだここが打ってないよー」、「今度はこっちをお願いね」という声を受けながら、どんどんできていきました。

組み立ては年長さんですが、年中さん、年少さんもできあがったジャングルジムで遊んでもらいます。
途中からは様子を見に来た年中さん、年少さんの「がんばれ、がんばれ」の声もかかり、無事にくむんだーは完成しました。
みんなで登って遊んで、その後は元通りに解体とお片付け。これも年長さんがみんなで協力して行ってくれました。

最後に、ご挨拶をして無事に初開催は終了。
こどもたちの「楽しかったー」、「もっとやりたい!」という声を聞けて、大工さんたちも笑顔で終えることができました。


○2024年2月16日 第2回ワークショップ @新城市鳳来こども園

2回目は鳳来こども園で開催しました。
鳳来こども園は、年少から年長までで10人の小規模園。そこで、事前にお願いして保護者の方も可能な方は、参加していただきました。
当日は1人欠席だったため、園児9人と保護者での実施となりました。

くむんだーは、小規模園サイズとして、6×6×5段。
柱の本数をタテヨコ6本ずつと一回りコンパクトにして対応しました。

進行は、前回と同様にまずはお話から。
ワークショップのお話や木の魅力について紹介します。その後で、くむんだーの作業内容と注意事項について話をします。
お話が済んだら、ヘルメットをかぶって組み立てスタート。

くむんだーは、まずは中心部の長い柱と貫を組んで芯をつくります。
保護者さんや先生方に手伝ってもらい、大工さんも一緒に組んでいきます。中心部ができあがったら、あとは周囲の柱や貫を組み、そこからは子どもたちが楽しみなトンカチでのクサビ打ち。
みんな我先にと、どんどん打ち込んでいってくれました。

無事にできあがったら、みんなで遊ぶ時間。
一通り遊んだあとは、未満児さんたちも入って遊びます。未満児さんは、登っていくのがまだまだ大変なので、まるで迷路遊びのようにくむんだーの中を這い進んでいたのが可愛かったです。

遊んだあとは、またみんなで解体してワークショップは終了。
第2回のワークショップも無事に終えることができました。


○2024年2月20日 第3回ワークショップ @新城市舟着こども園

2週連続開催となる第3回目は、舟着こども園さん。
鳳来こども園さんと同様に園児の数が少ないので、保護者さんにも参加をお願いしました。
当日は、園児11人と保護者さん4人で行いました。

くむんだーのサイズは、タテ 柱6本×ヨコ 柱6本×5段のサイズ。
小規模園サイズですが、部材の数も多く、クサビもたくさん打込むので、こどもたちは十分に楽しめるサイズです。

今日も木のお話、注意事項からスタート。
子どもたちは会場に入った時から、「木のにおいがするー」と木の特徴を感じてくれています。それを踏まえながら、「木っていいよね」って知ってほしいんだよ、ということをお話させてもらいます。

10分程度のお話が済んだら、組み立てスタート。
お母さん、先生方とも力を合わせて、子どもたちが柱や貫を運んで組んでいきます。こどもたちは、たくさんクサビが打ちたくてウズウズしていますが、部材を組まないとクサビを打つ場所もありません。なので、お母さんたちに促されながら、一生懸命に材料を運んで組んでいってくれました。

さあ、形ができてきたらクサビを打ちを進めていきます。
やっぱり、子どもたちはこれが楽しい。必死に打つ場所を探して、トントンカンカンとクサビを打っていってくれました。

完成した後は、みんなで楽しく遊ぶ時間。
それぞれに、くむんだーに登っていって遊びます。年少の子が上まで登る姿を見て、先生たちも驚いていました。
くむんだーでは、遊んだ後の解体・片づけまでが一連のワークショップ。
そこで、「そろそろ解体して片づけするよー」と声をかけると「ヤダ!このまま置いておいて」という子どもたちの声。
うれしくもありますが、そうもいきませんので、みんなで解体・片づけをしました。

最後にご挨拶をして3回目のワークショップも無事に終了。
今回も子どもたちからたくさんの笑顔をもらったワークショップとなりました。


○2024年3月5日 第4回ワークショップ @新城市作手小学校

初の小学校開催となる第4回は作手小学校でくむんだー。
今回は、2年生13人で開催しました。
時間は、2時間目と3時間目の授業時間を使って行います。

くむんだーのサイズは、タテ柱7本×ヨコ柱7本×6段サイズ。
これまでのこども園よりも高さを1段高くしました。

2年生といえども、さすがに小学生となると1つ1つの動きのスピードが違います。
スタートから順調に組み立ては進んでいきました。さらに、事前の先生との打合せでも、「できるだけ子どもたちの手で組みたい」とのことでしたので、いつもよりも大工さんのお手伝いは控え目にしました。それでも、「4の柱を持ってきて」などと声をかけるとすぐに持ってきてくれて、自分たちで組んでいきます。
そして、いつもは大工さんたちが「ここに貫を通すよ」などと声をかけるのですが、自分たちで「〇〇くん、うしろ気を付けて」と声かけができていました。

こどもたちを中心にして、無無にくむんだーは完成。
できあがったくむんだーで遊びます。途中で、校長先生や担任の先生、見学に来られたお母さん方にも登ってもらいました。
最初は、「大人の体重で大丈夫かな」と不安がられていましたが、いざ登ってみると伝統工法による木組みのしっかりとしたつくりに驚いていました。

解体する前には、「大工さんたちも是非」と声をかけていただき、一緒に記念撮影をさせてもらいました。

その後は、解体・片付けをしてくむんだーは終了。
授業として行ったので、子どもたちの振り返りの意見発表も聞かせていただき、小学校での初開催も無事に終えることができました。