3年以内に省エネルギー基準が義務化

『3年以内に住宅も含めてすべての新築建物に省エネルギー基準への適合を義務化する』
6月に成立した、改正建築物省エネ法の内容です。

建築分野はエネルギー消費の約3割を占める

2050年までの達成を目標としている温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」。これを見据えて、建築分野のさらなる省エネ化に向けた法律改正です。
建築分野は日本のエネルギー消費の約3割を占めます。そしてk、50年のカーボンニュートラルに向けて、30年度までに温室効果ガスの排出量を2013年度に比べて46%削減する目標を掲げています。
そのためには、新築建物の省エネ性能の向上と既設建物の省エネ回収が必須となります。
そのための、今回の法改正となります。

義務化される省エネルギー基準は?

では、どれぐらいの省エネ性能が義務化されるのでしょうか?

現在の省エネルギー性能は、
外皮性能基準(外皮平均熱貫流率(UA値)と冷房期の平均日射熱取得率(ηAC値))と
一次エネルギー消費量基準で
表されます。一般的には、UA値で表示されることが多いです。ハウスメーカーさん、住宅会社さんの広報や資料で、「UA値が0.〇〇」との表示を目にしたことがあるかと思います。

今回の法改正で義務化されるレベルは、ここ 愛知県地域ではUA値=0.87 が基準となります。

最高基準が最低基準になる

このUA値0.87という断熱性能。
これまでは、住宅性能表示制度における断熱性能分野で、最高等級の断熱等級4という性能でした。
(2022年4月からは、さらに上の断熱等級5が新設されています。)

ですが、この最高基準が義務化されるので、これからは最低基準になります。
最高が最低になる、分かりにくい仕組みですが、それだけ住宅に求められる断熱性能レベルが上がっている、ということです。

マイホームの断熱性能はきちんと確認する

以前には、
「わが社の断熱仕様は、最高等級の4ですよ。」
という営業トークが成立していましたが、今や全く成立しなくなりました。

「等級」という言葉にごまかされずに、外皮平均熱貫流率UA値がいくつなのかを事前に聞いて確認することが必要となります。UA値であれば、断熱性能を細かな数値で表すことができます。
また、「HEAT20」という指標も現在はよく使われますので、こちらも参考にしてみてください。

ちなみに、以前のブログでご紹介しましたが、鈴木工務店では直近のお客様のお家では概ねUA値=0.45前後になっています。(6月6日ブログ「鈴木工務店のUA値は?」

住宅は車のように簡単に買い替えができません。
また、断熱性能は床を張り替えるように完成後に簡単に替えることもできません。
完成してから後悔することのないように、事前にしっかりと確認してから建てるようにしてください。

この記事を書いた人

鈴木工務店鈴木太